ボール競技の中でも、特にテニス・卓球・バトミントン・ゴルフはレジャー性が高く楽しめるスポーツです。
ラケットやゴルフクラブは時代の変遷により、材質が木材から合成素材(カーボン・鉄・アルミニウム・チタンなど)へ変化しました。
この変化により、アマチュアの方をはじめ年少者も気軽に楽しんでいます。
より高度な技術を習得しなくても、ある程度満足のいく結果が得られるようになりました。
さらにレベルアップを望むのであれば、技術の向上と共に自身のレベルに合わせた道具選びも必要となってきます。
また、ゴルフに至ってはボールまで選択肢の1つに入ってきます。
研究は進み、ボール・ヘッド・シャフトの3つ相性が非常に重要となるため、市場でも3つセットで販売されていると言っても過言ではないでしょう。
なので、できれば試し打ちをおススメします。
試し打ちで特に大切なのは、ヘッドとボールが当たった時の打感からボールの弾道および落下地点の確認ができれば最高であると考えられます。
【陸上競技(長距離)に例えるならば・・・】
以前は、駅伝やマラソンと言えば、ソール(靴底)が薄いシューズを使用しておりました。
なぜならシューズの軽量化を重視し、より裸足に近い状態で走れるような感覚のシューズが良いとされていました。
靴の総重量を軽くすることで好タイムが出やすいと言われてきたからです。
オリンピックや世界選手権などで活躍した森下広一さんをはじめ谷口浩美さん、有森裕子さん、高橋尚子さん、野口みずきさんなど、皆さんASICSのカスタムシューズを履いておりました。
現在(2019年)のシューズは、NIKEに代表されるようなソールが分厚く軽い素材に加え固い復元性の高いカーボンを使用しているシューズを愛用しています。
分厚いソール+カーボンのシューズを履くことにより、フォアフット(つま先から着地)走法の選手はより高速化の傾向になったため、世界新記録がどんどん伸びています。
この先1時間台を出す選手が増えてくるかもしれません。
シューズは選手にとって唯一の道具であり、尚且つ選手個人が自分に最適なシューズを選択できる権利をもっております。
が、シューズによってタイムに差が出ることもあるので、もし可能であれば選手全員が一つのメーカーの同じシューズを履いて試合をしてみては面白いのではないか。
道具の向上と共に、それを使いこなせるだけの技術力が身につけば、よりパフォーマンスが上がるのは当然です。
しかし、いずれにせよ人間が行うことなので、関節の柔軟性や強度、筋肉の柔らかさ、各関節と関節を繋ぎとめる靭帯・筋肉・腱の強度にはそれぞれ限界があるため、それらを踏まえた上でケガをせず合理的にパフォーマンスが向上できれば何よりと考えます。
そのように視野を広げて考えると、私の仕事は必ずしも治療室やリハビリテーションルームのみが活動の場所ではなく、屋外で単純に走ったり跳ねたりした時の動作解析や、実際の練習風景、試合の様子を見ることも必要となります。
多くのクライアントや選手の背景を知っておくことも非常に重要であると思います。
技術力を向上するためにはケガをしないことが大前提なので、個人の特性に合ったスマートで豊富な練習量をこなすことが近道になります。
【ゴルフに例えるならば・・・】
ゴルフに必要なのは飛距離と正確性。
飛距離を伸ばすには、スウィングの正確な再現性が求められます。
正確な再現性を実現させるためには指先、特に薬指と小指のロックが必要となります。
加えて、肩甲骨と股関節の連動もたいせつです。
最近のゴルフクラブの進化は目覚ましいものがございます。
ゴルフヘッドとシャフト及びボールのマッチングがとても大切で、3つの要素を個人のスキルレベルに合わせて選ぶことにより、ヘッドスピードの向上とボールのスピン量の増加につながり、ゴルフがより楽しめるようになりました。
道具のことでお困りの方は、試打が可能なゴルフショップで試されたり、もしくはインストラクターの方々のアドバイスも有効であるとも考えられます。
木材のパーシモンから始まり、金属のメタルウッド、更にはアルミニウム、そして現在はチタンが使用されております。
スウィートスポットも広がり、ボールへのアジャストが可能になれば当然の如く再現性が高くなり、よりゴルフを楽しめる時代にまで入ってまいりました。
身体の近くをクラブの起動が通るようにスウィングすると、ゴルフクラブの操作性が更に高まることも相まって、フェイス面が安定し飛距離がアップします。
実は目と脳の錯覚かもしれません
ゴルフ競技に多いことですが、最新の道具に変えて結果が良くなった方は、実は目と脳の錯覚かもしれません。
上級者の方はすでに気づいていると思います。
道具の進化により、ミスをカバーしてくれる道具が登場したため、自分のミスに気づかない方がいます。
感覚の鋭い方はミスをカバーしてくれる道具を使っても、自分のミスに気づきます。
自分のミスに気づけるということは、それだけ技術力が高いということです。
ですが、より良い結果が出る道具を選んでコースに出るため、ミスをカバーしてくれる道具を使っている限り、自分の技術力が向上しているような錯覚に陥るという見方もあります。
なので、今まで技術力がなかなかアップしないな思っていた方でクラブを変えたら劇的に変化した方は、一度試合やコンペの際に元の道具でプレーしてみるのも良いかと思います。
結果に違いが出るようであれば、自分の技術力が向上したのではなく、道具の進化によって向上したと錯覚しているだけかもしれません。
過去、経験があるのですが、ゴルフのアイアンの技術の修正をするため、石の混ざった固い土の上からクリーンにボールをヒットさせるまで、アイアンには申し訳ないと思いつつも打ち続けたプレイヤーがいました。
その結果、翌日は別人のようなゴルフを展開することとなりました。
当時はアイアンと言えば軟鉄です。
軟鉄のアイアンはその人の技術をダイレクトに表してくれます。
軟鉄のアイアンで納得のいく練習ができた時、技術は確実に向上しています。
アイアンは飛距離を出す道具ではなく、正確に個人の飛ばしたい飛距離を実現させる道具です。
ゴルフのアイアンの素材が軟鉄でありフォージドのクラブが現在も重宝がられています。(フォージドアイアン)
現在のアイアンは比重の違うチタン合金を混ぜたりして、スウィングのミスをカバーしてくれるクラブが市場に出回っています。
なので、なかなか技術力が向上しない方や元の道具と最新の道具で結果が違ってしまう方は、一度軟鉄のアイアンで練習してみるのも1つの選択肢です。
そして、アメリカ同様、練習場所は可能であれば天然芝の上や固い土の上から打ってみてください。
軟鉄のアイアンで納得のいく感覚を身につけて、コースでも軟鉄のアイアンを使ってみましょう。
軟鉄のアイアンはダイレクトに自分の技術が反映されるので、自分の技術を把握するのにおススメです。
くれぐれも地面からのショックが手首や肘に出やすいので、気をつけてください。